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自分はクローザーに向いていない


去年のクライマックス・シリーズ後、球児は痛感した。

試合の最後を締めるクローザー。
しかし、そこまでにリードした展開をチームがお膳立てしてくれない限り、
球児はなにもできない。

1回から8回まで、
チームがどれだけもがき苦しんでいたとしても、
球児が手助けできることは何もないのである。

ただ、祈ることしかできない。

1点でもリードしてくれ、と。

だからといって、球児を責める者は誰一人いない。
それでも球児は、自分の無力さを責める。



3試合ぶりのマウンド。
その3試合は、天王山と位置づけられた2位巨人との直接対決。
その3つをすべて落とし、ついに同率首位に並ばれた昨日。
この3試合の間、どんな気持だったかとお立ち台で問われた球児は、

「リラックスして、楽しんで見てました」

と笑顔で答えた。

そこに、去年のような、無力感にさいなまれた球児はいなかった。

もちろん今でも、まったく無力さを感じないわけではないだろう。
おそらくこの3試合だって、相当悔しい想いをしたに違いない。
だからこそ、球児は自ら8回からの登板を志願した。


結果は辛勝。
巨人も勝っているため、ゲーム差も変わっていない。
依然、現状は厳しいままだ。
それでもなにかホッとしたのは、やはり球児の笑顔と言葉があったからだと思う。

一貫して「楽しむ」という心境を強調していた昨日のヒーローインタビュー。
この時期、この状況下では普通、口にはできない言葉だと思う。
しかし、最近悪いスパイラルにはまり込んでしまっているチームにとっては、
そういう心境こそが必要だったのかもしれない。

今更ジタバタしても仕方がない。
みんな何を焦ってるんや。
自分らの目指すところは、ただひとつ。
他チームがどうだろうと、そこに向かって突き進めばいい。
開幕の日と同じように。

あたしには球児の言葉がそんな風に聞こえた。





大人になったねぇ、球児。

去年までは、もっと切羽詰まったような、
なにもかも自分が背負ってるような、
もっと悲壮な感じがしてたんだけど。

たとえば、去年までは、
「球児を助けるために、がんばろう」って感じだったのに、
今年は、
「球児ならなんとかしてくれるから、それまでがんばろう」って感じになってる。

たとえばあたしは、去年球児がお立ち台で泣いた時、
「あたしもあきらめないから、球児泣かないで〜〜」って思ったのに、
今年は球児の指さす方向さえ信じていれば、大丈夫って思える。


それこそが、クローザーの役目でないだろうか。

試合に出て、打って走って投げるだけが、チームに貢献してることではない。
もちろん、最後の1イニングを抑えるだけが、仕事でもない。
たとえ、状況に頼らざるを得ない立場だとしても、
1回から8回まで、チームが全員球児を目指している。
球児を心の支えに闘える。
まるで、嵐の中を必死でボートを漕いで、ようやく見つけた灯台の灯り。
今の球児は、そんな存在だ。



実は、昨日はあたしの誕生日でして、
そんな日に球児が2イニング登板。
おまけに席がブルペンカーの通路の真横。
超至近距離で球児を見ることができて、
チームは勝利。
んで、球児のこのヒーイン。
もう大興奮でした。
石川の親孝行初白星も泣かせるけど、
あたし的には、やっぱり球児の成長を感じたこのヒーインは大感動で、
ちょっとうるうるしたよ。


球児がいる限り、タイガースは不滅や!
ヤクルトファンなんかになるかーーーーーーーーー!!!




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